フーンさんの子育て日記A
***********************
これは日本人と結婚して、昨年初めて赤ちゃんを産んだベトナム人女性・フーンさんの半年間の子育てを、日記ふうに綴ったものです。
***********************
|
* 退院 *
病院には2日だけ泊まり、家にはタクシーで帰りました。二階から昇り降りすると食事や、赤ちゃんの行水や、人が来た時に応接することなどが大変なので、実家から20年以上は経つ昔の大きい木のベツドを持ち込んで、一階に据えて寝ることにしました。
すべてが木で出来た昔のベッドですので柔らかいマットなどはなく、木の板の上にゴザを一枚敷いて寝ます。さすがに十日もすると背中や腰が痛くなって来たので、後では薄いマツトを敷きました。しかも一階にはクーラーなどはなく、天井でクルクルと回る大きな羽根の扇風機だけですが、慣れているのでさほどさほど暑くは感じません。
私の母は寝る時には、固いタイルの床の上に薄いゴザを一枚敷いて寝ています。体の上には薄い一枚の生地の毛布を掛けているだけです。結局私が元気になるまで一ヶ月半は、そういう生活をして炊事や洗濯などをいろいろ助けてくれました。母には本当に感謝しています。
退院してもまだ私は体が完全には回復していないので、ずっとベッドに寝た状態でした。毎朝母が近くの市場に出掛けて、その日の食事の材料を買い、一日の食事を作ってくれます。そして一週間だけ病院の看護婦さんが家に出張して、赤ちゃんの行水の仕方を教えに来てくれました。
左手に赤ちゃんを水平に抱え、耳に水が入らないように右手で頭や顔を洗い、最後に体を洗います。そしてヘソの尾に薬を塗って帰って行きます。全部で30分も掛らないのですが、やはり慣れているのでしょうか、赤ちゃんは頭を洗っている時には、目をじっと閉じて気持良さそうにしています。これで一日30,000ドン(約230円)を払うことになりました。
それで私の母が、「毎日来てお金を払うのはもったいないから、洗い方を見て覚えたら一週間で断って、その後はあんたが自分で洗って上げなさい」と言うのでそうしました。そして自分で頭を洗って上げたのですが、やはりまだ慣れていないので、最初の日は気持良さそうにはしてくれませんでした。
私の手の上で動いて、あの看護婦さんのようにじっとしていてはくれません。でも2・3日すると私も慣れて来て、赤ちゃんも気持ち良さそうにじっと目を閉じてくれるようになったので安心しました。
つづく
|