|
「BAO(バオ)」というのはベトナム語で「新聞」という意味です。
「BAO読んだ?」とみんなが学校で話してくれるのが、ベトナムにいる私が一番嬉しいことです。
■ 今月のニュース 「日本の新しい貧困層」■
“今日本では新しい貧困層が出現している。”これは「カリュウ シャカイ」という本の中に出てくる言葉だが、作家・ミウラ アツシによるこの本が今日本で飛ぶように売れている。
この「新しい貧困層」というのを指す時には、次の3つの特色がある。スナック菓子やファーストフードを食べる、一年で千ドルにも満たない収入しかない、今現在の人生の中で奮闘・努力する目標がない・・・などである。
この本では、今の日本は人口の大部分を占める中流階級と、このような新しい貧困層との間に敏感な「格差の問題」が出て来つつあると述べている。
日本の民主党は、小泉首相の「行政改革」はこのような社会的弱者をなおざりにしたやり方だと批判している。
日本政府の統計によれば、今の若い世代の24%は親のスネカジリで、銀行に貯金もしていないという。最近日本は明らかに経済が回復してきたにもかかわらず、5年前と比べてもこのような層が12%も増えてきているのである。
日本におけるGini係数(収入に関しての不平等を測る一つの目安)では、十年前の0,297%から0.308%に増えている(それだけ格差が開いて来ている)のである。このGini係数の値が0になれば、収入に関してはみなが平等になるということである。
さらにもしGini係数がアメリカと同じように0.4と高くなれば、収入に関しては高度に不平等な状況が見られるといえるのである。
今日本では、約2百〜4百万人の“フリーター”がいると言われている。18才から30才のそういう人たちは一日中仕事がない状態だが、そういう人たちは技能が要る仕事から要らない仕事まで、たとえ様々な仕事があってもすぐには飛び付かない。
さらにまたこれに加えて日本には、50万人もの“ニート”と呼ばれる人たちがいる。これは高等教育も受けていなくて、職業訓練の経験もなく、仕事がないので社会に出て行かない「除け者にされた」人たちのことである。
作家・ミウラ アツシは、「奮闘・努力する動機の弱い“カリュウ シャカイ層”の出現は、ここ最近十年間の長引いた経済の不況の後に出て来た結果である」と強調するのである。このような層を助けたいと思うなら、政府は彼等に職業訓練を養成するための機会や場を提供しなければならないと言う。
(解説)
珍しく日本の現状についての記事がこちらの新聞に掲載されましたので、今回はみなさんにもご紹介しました。最近の日本に、果たしてここに書いてあるような貧困層が出現しているのか、いないのか普段日本に住んでいない私には良く分りません。
そういえばベトナムにも良く日本から旅行者がやって来ます。その人たちのほとんどは、日本の会社に勤めていて「休暇を取って来ました」という人が多いです。
しかし中には、「仕事は何ですか?」と聞くと、淡々と「私はフリーターです」と答える人もいます。それを聞くたびに、(日本ではフリーターというのは職業として確立されたのかな?)とおかしく思いましたが、さすがに「私はニートです」という人には出会ったことがありません。
ベトナムには駅やホテルの出口の前で、バイクタクシーやシクロのおじさんたちが、いつ来るか分らないお客を待つために一日中じーっと座り込んでいる人たちがいます。その日の自分の都合や体調次第では、「今日は休むか!」と決めてもどこからも、誰からも文句は出ないような仕事ではあります。
ベトナムに最初来た時には、私はこういう人たちについては(確かに失業者ではないが、このような仕事は果たしてれっきとした仕事といえるんだろうか?)と疑問でしたが、日本からフリーターと呼ばれる人たちと出会うにつれて、彼等の仕事は@毎日勤務する場所が一応決まっているAやるべき仕事の内容も分っているという意味では、「立派な仕事である」と理解出来るようになりました。
|