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「BAO(バオ)」というのはベトナム語で「新聞」という意味です。
「BAO読んだ?」とみんなが学校で話してくれるのが、ベトナムにいる私が一番嬉しいことです。
■ 今月のニュース <首相に手紙を出した一人の農民>
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Le Van Lam(レー バン ラム)さんは今年57歳になる。彼はサイゴンから西に約200km離れたところにあるDong Thap(ドン タップ)省に住んでいる。
彼はその土地で40年以上農業に従事し、今も子供たちや孫たちと一緒に稲を栽培したり、家畜を飼う仕事を続けている。
その一農民に過ぎないラムさんは、ここ最近のあまりの物価の上がり方に怒りが募り、ついにベトナムの首相にまで手紙を直接送り付けるという行動に出たのだった。
彼は首相に宛てた手紙の中でこう書いた。
「敬愛する首相閣下
私はサイゴンの郊外に住むひとりの農民です。最近のいろんな物価の高騰には、田舎で農業を営んでいる私たちのような農民たちは、生活が大変困窮する事態に陥っています。
農業や家畜を営む上において、農民は肥料や農薬や飼料を購入しないといけません。しかしその肥料代と農薬代と資料代が、今年の5月に入ってそのほとんどが何と2倍に上がったのです。
元々が貧しくて、大した蓄えもない私の回りの農民たちは、それまでにも農薬や肥料や飼料などを購入するために、銀行から借金をしたりしてきました。
そして、その借金は米が収穫出来たり、家畜を売った後で手にする現金で、ようやく借金の返済に充てて来ました。
しかし今年のような物価の上昇ぶりでは、最終的には一年の収支が赤字になるのは間違いなく、銀行から借りたお金の返済が滞るのは目に見えて来ました。
銀行は貸したお金を農民が払わない時には、家や土地を差し押さえ、二度とその農民には融資をしてはくれません。そういう状態になると困る農民たちは、次には街中の高利貸しからやむなくお金を借りて、それで銀行からの借金を返済するしかないのです。しかし銀行に返済しても、高利貸しから借りたお金と利息は残るのです。
そしておかしいのは、我々農民から役人が買い上げた米の価格は1kgが5400ドン(約35円)なのに、政府の公式な発表では1kgが8000ドン(約50円)なのです。その差額の2600ドンはどこに消えているのでしょうか。
首相閣下!私が言いたいのは、政府はもっと農業を、そして農民を大事にして欲しいということなのです。
今のこのような農業を取り巻く厳しい状況では、肉体的にもそしてますます経済的にも辛い農業に従事するよりは、取りあえずの日銭が確実に稼げる都会での仕事に若者たちは流れて行くことでしょう。そうなった時に、ベトナムの農業に将来はあるのでしょうか。」
(解説)
この手紙を書いたラムさんが住むドン タップ省には、以前私も足を運んだことがありました。日本から来た大学生たちのグループと一緒に、洪水に遭って経済的に困窮した家庭の子供たちに義捐金や文房具を支援しに行ったことがありました。
ここは毎年といっていいほど稲の収穫期頃に洪水に見舞われて、そのたびに農民の人たちは苦しい生活を強いられていました。そういう天災に加えて、今年のような物価の上昇は経済的に貧しい農民の人たちに与える影響は大きくなってきています。
確かに、今年に入ってからのベトナムの物価の上がり方には、我々外国人も大いに驚いています。ホテル代も上がり、ガソリン代も上がりました。レストランの料金もビールの値段などもすべて上がりました。
そして一番ベトナムの人たちが驚いたのは、米の価格が急に2倍に上がったことでした。4月までは1kgが1万ドン(約60円)くらいだったのが、1kgがその2倍の2万ドン(約120円)にまで上がったのでした。
米はベトナムの人たちの主食ですから、大いに驚いたことでしょう。経済的にまあまあ裕福なベトナムの人たちであれば、米以外にもある程度の数種類のおかずを摂ることは出来ます。
しかし普通の貧しい庶民のおかずは驚くほどその品数は少なく、その少ないおかずを副食物にして、ご飯の上には醤油やヌックマムなどのソースをかけて食べていて、それでお腹を膨らませればいいやという食習慣ですので、肝心のその米の値段が上がればその食生活にも大きい影響が出て来ます。
しかも一ヶ月に一度は給料が貰える会社勤めをしている人たちでも、物価が上がっても給料がすぐ上がる訳ではありません。経費が上がることにより、会社も経営が苦しくなっていることでしょう。
いわんや、年に数度しか現金収入のない農業に従事している人たちには、今のベトナムの物価の上がり方は、彼らの日々の生活を今相当困難にしている様子が、このラムさんが首相に宛てた手紙から良く分かります。
ところで、彼が首相に手紙を書いてから約半月が過ぎましたが、まだ首相からラムさんにその返事はないようです。
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