Q エコツアーってどんなもの
A 自然を観察したり体験しながらその仕組みを学んだり、生き物や自然環境を保護する活動に参加したり、昔の貴重な遺跡を知り、それを大切に守ったりする、自然にやさしい旅行、地球と仲良くする旅行です。
エコツアーへの参加により旅行費用の一部が、自然や遺跡を守るために使われることもあります。
健康で、環境に興味のある方ならどなたでもご参加いただけます。
Q カンザーってどんなところ
A ■ カンザーの歴史
ベトナム南部最大の都市・ホーチミン市。そこからさらに南へ55キロメートルのところにカンザー地区(面積7万ヘクタール、人口約5万人)があります。
「マングローブを失えばすべてを失う」ということわざがあるほど、ベトナムの海岸地帯に住む人たちの生活に、マングローブ森は深く、大きく関係しています。マングローブ森は海岸が波で侵食されるのを防いだり、高潮の被害から土地を守るなど、河口や海岸線の保全に大きな役割を果たしています。またさまざまな動物、鳥、魚、昆虫類など多数の生物が生きていけるのもマングローブ森のおかげなのです。
しかし、ここカンザーはベトナム戦争の時に、アメリカ軍の枯葉剤作戦でベトナム全土の中でも、最悪の森林破壊を受けました。ジャングルの中でのゲリラの出没に手を焼いた米軍は、ゲリラの隠れ場所がないように森ごとなくしてしまう作戦を実行したのです。その結果、森は壊滅し、鳥や動物や魚にとっても致命的な影響を与えました。
そして1975年にベトナム戦争が終わってすぐ、1978年から本格的な植林計画が始まりました。それから約20年かけて、いままでに人の手によって植えられた広さは約2万ヘクタールになると言われます。
実際に今、われわれがその広さのマングローブの森を見ると、これが全部人間の手で植えられたものだとはとうてい信じられない規模のものです。その森の中を歩いていると、遠くから小鳥のさえずりが聞こえ、ときに樹齢100年は越えていそうな枯れた、大きなマングローブの木の根と出会います。かってはこの辺りにも、このような大木がうっそうと茂っていたのだと感じさせてくれます。
近年、輸出用(主に日本向け)のエビ養殖池や塩田、米の栽培のため大規模な伐採が行われ、戦後植林されたマングローブさえも破壊されてくるようになりました。しかしながらマングローブを失って初めて、ようやくその大切さを知った人々はいまふたたびマングローブ林を再生させようと試みています。
Q マングローブ植林支援地としてカンザーを選んだ理由
A 今や世界のいたるところで進行している環境破壊に対して、地球規模でのマングローブ植林の推進を目的として、1992年にアクトマン(マングローブ゙植林行動計画、代表・向後元彦)が設立されました。地球規模でのマングローブ植林推進という壮大なテーマを、アジアではベトナムで具体的に進めていこうという、そのアクトマンの活動に対して、日本の学習塾(株)ティエラも賛同し、積極的に支援・協力をしていくことになったのです。そして、その候補地としてベトナム・カンザーが当時選ばれたのですが、これには理由があります。
1.注目度
ベトナム戦争は今も世界中のひとびとの記憶に残るもので、アメリカの枯葉剤作戦は戦後あらわれてきた後遺症も含め、史上初の大規模な環境破壊として知られています。実際カンザーでは戦争中の5年間に299回の枯葉剤が撒かれました。
2.自助努力と技術力
ベトナム戦争後、国の指導下でマングローブの植林が全国規模で行われ、また村レベルでも自発的に植林が行われた結果、全国に植林技術が広がりました。このカンザーはその植林の指導的役割を果たして来た経験があります。
3.国際協力への要望
近年の経済開放政策によって外国企業の投資のみならず、マングローブ植林への支援がベトナム側から求められるようになりました。
ホーチミン市カンザー地区では、「人間活動とマングローブの共生」をはかるプロジェクトをはじめました。カンザーでこのプロジェクトを行うさらに大きな理由は、マングローブの絶滅→植林→再生→保全という自然の循環が短期間のうちに実際にあったということ。マングローブ森利用と生態系保護の調和のモデルになる可能性を秘めていること。ホーチミン市から約2時間半の所にあり、日帰りでも可能な距離でもありながら農漁村の匂いを色濃く残し、われわれ外国人とってもベトナムの都会と田舎の生活の違いが興味を引くことなどがあげられます。
地元の人たちの力で復元されたこの森を守るために日本側に今学術的、経済的な支援が求められているのです。
■ カンザーでの活動の意義
上記プロジェクトでは、この地区一帯を保護区とし、マングローブの安易な伐採を禁じ、かってこの地区に生息していた動物たち(猿・鹿・ワニ・イノシシ・カワウソなど)を森に甦らせるための動物園の建設と、カンザー地区の歴史,芸術、文化,生活,動植物を展示した博物館の建設が今進めてられています。
このプロジェクトを一時的なもので終わらせるのではなく今後も持続・発展できるものにするには、マングローブの生態系を守るだけではなく、ベトナムの地域社会、特にこのカンザー地区に役立つものでなければいけません。いろいろな話し合いを重ねた結果、マングローブ森の中にセミナーハウスと宿舎を建設し、その施設を世界中の環境保護団体や,学校,企業,自治体の研修や会議,学術調査などに利用してもらうという構想が生まれました。
四方を緑のマングローブの森に囲まれた、このセミナーハウスを宿舎兼研究施設の拠点として,植林活動,環境保護や生態系保存についての学習,調査,研究活動を繰り広げ、それをねらいとした「エコツアー(自然環境や地域の社会環境に悪影響を与えない旅行)」の実施をすすめる。
その動きと同時に地域住民の持続可能なマングローブ森利用のノウハウを確立し、従来のエビ池や薪炭ではマングローブ森の壊滅につながり、最終的には自分たちの生活を脅かすことにつながるのだという啓蒙活動を行なっていく。ここでそのノウハウを確立しその「モデルパターン」が出来れば、世界の人がそれを学んで自分の国の環境保護に応用できるというわけです。
カンザー人民委員会は施設の建設用地として、百ヘクタール,約1キロ四方の土地を提供してくれました。今5棟のセミナーハウスが完成しています。
今後日本やベトナムの子供たち、そしてゆくゆくはアジア、世界各国の子供たちがここカンザーに集まって、地球問題について一緒に考える環境問題の世界への発信基地になればと願うのです。
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